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税金を払わない終身旅行者 究極の節税法PT [読書(マネー)]

これまで海外での資産運用について読んできましたが、まずはこの本を読んでおくべきだったと後悔しました。

税金を払わない終身旅行者―究極の節税法PT

税金を払わない終身旅行者―究極の節税法PT

  • 作者: 木村 昭二
  • 出版社/メーカー: 総合法令出版
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 単行本

まず、オフショア関連の本の多くは、税金、特に所得税の扱いについて曖昧にして、オフショアは節税になるといった表現があったように思います。この本では、日本の居住者である限り、世界のどこで発生しようが、所得には税金がかかるということをしっかり解説しています。そして、日本の非居住者となることで、いかに節税ができるのか、をきちんと解説しています。ただ日本の居住者にならないだけではなく、どこの国の居住者になるかも重要だということが分かりました。

では、日本の居住者の定義とは何でしょう。この本によれば、所得税法上の居住者の定義は、①国内に住所を有する個人、②国内に現在まで引き続いて1年以上の居所を有する個人、となっているそうです。従って、この2点に当てはまらないようにすればよいのですが、家族が日本にいたり、生活の本拠が日本にあるとみなされると居住者と判断される場合もあるそうです。

非居住者となった場合のメリットは、「制限納税義務者」となって日本国内に所在する財産のみが課税対象になることです。逆に言えば、非居住者にならない限り、日本に持ち込まなかったとしても海外での所得には税金がかかることになるわけです。

ここまでが前段で、この後、PT:Permanent Travelerについて具体的な解説がされていきます。まずPTとは、税法上どの国の居住者にもならず、納税の義務から逃れるスキームと定義した上で、PTになるための基礎知識である、永住権、市民権、ビザについて主要国の事情を紹介します。

その上で具体的なPTを実行するために、①国籍を持つ国、②ビジネスを営む国、③居宅を持つ(永住権・市民権を持つ)国、④資産運用を行う国、⑤余暇を過ごす国、の5つの国を利用することを推奨しています。日本は二重国籍を認めていないため、①については日本にしておくことになり、③についてはタックスヘイブンの国、④については金融制度が整ったオフショアセンターが良いそうです。

この後で、オフショアセンターの解説、オフショアファンド、海外生命保険、プライベートバンクなどの利用方法が各国ごとの情報が掲載されていますが、これらは他の本でも解説されているところです。

結論から言えば、ビジネスまたは資産運用によって、十分な所得を得ることが絶対的に必要です。しかもビジネスも資産運用も日本以外の国で行わなければなりませんので、すぐに実現できる人は少ないように思います。定年退職した年金生活者は、財産さえあれば可能性は高いと思います。

私も、財産さえあればすぐにでもPTになりたいところですが、まだまだ先は長そうです。

99年に書かれた本ですので、すでに変わってしまっている情報もあると思いますが、主要国ごとの各種情報を網羅しているので具体的にPTになるための最初の一歩としては完成度が高い本なのではないでしょうか。税金が節約できるというメリットは別にしても、いろいろな国に拠点を持って転々とする生活というのは一つの理想なので、いつか実現したいと思います。


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コメント 4

ちくりん

欧米の富裕層だと、バハマとかバミューダ、ケイマンあたりのタックスヘイブンに住んで、資産運用して生活している人いますよね。生活水準の高いリゾート地で、居住環境も申し分ないようです。
同じように日本から手軽に行けるタックスヘイブンだと、やはり香港でしょうか。
by ちくりん (2006-04-10 01:46) 

Tomo

そうですね、一番近いところで香港が手軽なのでしょうか。とにもかくにも、資産を形成しないといけませんね。こつこつやることにします。
by Tomo (2006-04-15 12:03) 

usagi

スバラしい本のご紹介ありがとうございます♪

ところでビジネスは登記上海外(タックスヘブン?)にあれば良いのでしょうか。それともそうでなくても良いのですか?居住のみタックスヘブンで良いとはちょっと驚きました。
by usagi (2006-04-20 07:43) 

Tomo

そこまで書いてなかったのですが、住む国によってその国の所得税だけ取られるのか、外国での所得にも税金がかかるか決まっているそうです。自分が、どの国からも税金を取られないか、タックスヘイブンに住んでいるなら、ビジネスはどこでも大丈夫なような気がします。
by Tomo (2006-04-21 00:33) 

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