イギリスでもう一度学ぼう [読書(英国)]
今回読んだのは、英国での留学記ということで、自分の1年を思い描くのに、ちょうどよい本のような気がしました。
- 作者: 高木 美也子
- 出版社/メーカー: はまの出版
- 発売日: 2003/02
- メディア: 単行本
著者は、高校で英語の教師をしていたのですが、留学への思いを実現するために退職して、ニューカッスル大学の英語教育のマスターコースに留学します。私も退職してでも、マスターは取っておきたかったので、非常に共感が持てました。
読み進めると、英国の留学生活がいかに大変か、ということをひしひしと感じさせます。著者も、大学は英文学専攻で、留学は言語学と、まったくではないものの、違う専攻で苦労したと書かれていますが、私も大学の専攻とは、まったくといっていいほど違う専攻を取る予定で、仕事上の経験があるとはいえ、不安はぬぐいきれません。英語で授業を受け、文献を読んで、レポートを書くという経験自体非常に限られていますので、まずは頭の切り替えが大変そうです。それに、これまでは仕事のレポートしか書いたこともない私ですが、英語でディサテーションなんて書けるのか、非常に不安です。
著者の高木さんも、苦労はしながらも、夢をかなえようと精一杯努力する気持ちを忘れず、とうとう最後にはPhDまで取ってしまいました。最初は、読んでいても、著者が留学してどうしたいのかという点があまり読み取れず、留学への思いがピンと来なかったのですが、だんだん研究することの魅力を感じて、がんばっていく様子を読んで行くにつれて、感情移入しながら読むことができました。非常にやさしくて頑張り屋な方なんだと思いますが、人柄の良さがにじみ出ていて、最後は読んでいて応援したくなってきて、博士号が取れたときには、こちらまでうれしく思えました。
何よりも面白かったのは、留学中の学生生活がイメージできたことでした。学生用のフラットをシェアしていたそうですが、フラットメートとの生活の様子がかなりのページを割いて書かれていたので、日常生活などがかいま見れたように思います。私は、また滞在先も決まってないので、どうなることか不安ですが、まあなんとかなるんだと思います。それから、苦労して課題に取り組んでいく様子もリアルで、この苦しみをこれから経験するんだと、改めて覚悟を決めなければいけないと思いました。
改めて、これから始まる学生生活に思いをはせる意味でも、今の時期の私にはとても良い本だったと思います。
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