SSブログ

「ホームズゆかりの地」案内:Bond Street [ ┣「ゆかりの地」案内]

FSL: Bond Street (P7~9)

今回はBond Streetを巡ってみました。意外とゆかりの地が多いことが分かりました。「最後の事件」、「高名な依頼人」での登場が多いようです。またオックスフォード街は、東西に長く延びているため、いくつかの駅に分かれて掲載されているようです。いずれまとめてみようと思っています。

1. Bond Street, W1

「白銀号事件」
FSLの記載: John Straker, alias William Derbyshire, purchased an expensive costume from Madame Lesurier, a milliner in Bond Street. The recipt gave Holmes a clue that helped solve the Silver Blaze mystery.

延原訳登場シーン:「そのうち三枚は乾草商人の計算書で、受取済になっています。一つはロス大佐からの命令の手紙、あとの一枚はロンドンのボンド街のマダム・ルスリエという帽子屋から、ウイリアム・ダービシャーあてに出した合計三十七ポンド十五シリングの勘定です。ストレーカーの細君の話によると、ダービシャーというのは良人の友人で、ここへもちょいちょいダービシャーあての手紙がきたということです」
「ダービシャー夫人の帽子だとすると、夫人はなかなかの贅沢家だな」

「バスカヴィル家の犬」
FSLの記載: In The Hound of the Baskervilles, while waiting for young Cartwright's report, Holmes and Watson spent the afternoon in the Bond Street picture galleries. Holmes was absorbed in the works of the modern Belgian masters.

延原訳登場シーン:「じゃワトスン君、あとは二七〇四号の御者を調べてもらうように電報でたのむだけだから、それをすませたらボンド街あたりの画廊にでもいって、二時にバスカヴィル卿のホテルへゆくまでの時間をつぶそうよ」

今はBond StreetではなくNew Bond Streetがあるのみです。駅名はBond Streetとなっています。

(写真は後日掲載予定→1月5日追加)

2. Brook Street, W1

「入院患者」
FSLの記載: Blessington, The Resident Patient, set up Dr. Percy Trevelyan in a house at No.403 Brook Street. Later Blessington was murdered, and Holmes revealed that he was really Sutton, the bank robber and informant.

延原訳登場シーン:「さ、どうぞお掛けください。そしてご用件をうけたまわりましょう」
「私はパーシイ・トリヴェリヤンと申す医者で、ブルック街四○三番に住んでおる者です」

Brook Streetの様子。


3. Claridge's (Hotel), Brook Street, W1

「最後の挨拶」
FSLの記載:
In His Last Bow, after capturing Von Bork, Holmes offered to shave off his goatee before reappearing as himself at Claridge's.

延原訳登場シーン:「あしたからはいやな記憶として残るばかりだ。このひげをおとしたり、そのほか二、三の外見をなおして、クラリッジ・ホテルへ現われるときは、このにせアメリカ人になるまえの、もとのホームズになってみせるよ。」

「ソア橋」
FSLの記載: In The Problem of Thor Bridge, J.Neil Gibson wrote Holmes from Claridge's.

延原訳登場シーン: 十月三日 クラリッジス・ホテルにて
シャーロック・ホームズさま
 神の創りたまいし最も良き婦人が空しく死にゆくのを、これを救うべき何らの手段を講ぜずして黙視することは私にはできません。私は事の真相を知りません。いな、真相であろうかと思われるものさえ説明できません。知っているのはただダンバー嬢がぜったいに潔白なことのみです。

クリスマスの飾り付けがされています。

4. Grosvenor Square, W1

「三破風館」
FSLの記載: In The Three Gables, Holmes and Watson went to see Isadora Klein, the celebrated Spanish beauty. She was the widow of the sugar king, and lived in one of the finest corner-houses on Grosvenor Square.

延原訳登場シーン:何しろイザドラ・クラインのような女が相手のときは、証人のあったほうが安全だからね」
そこで馬車を雇って、グロヴナー・スクェアのある家へと急がせることになった。

 

Squareの様子。

角にあった建物で一番豪華そうなもの。

5. Marylebone Lane, W1
「最後の事件」

FSLの記載: In The Final Problem, Holmes passed the corner which leads from Bentinck to the Welbeck Street crossing. He was almost hit by a two-horse van that dashed round by Marylebone Lane, and wa gone in an instant.

延原訳登場シーン:ひるごろオックスフォード街に用事があって出かけてね、ベンティンク街からウェルベック街へ曲る角をつっきろうとしたら、二頭だての荷馬車がえらい勢いで僕をめがけてとんできたよ。あっというまに僕は歩道へとびあがったから、ほんの髪一本の差で助かったが、馬車はそのままメリルボーン横丁へ駆けこんで、見えなくなってしまったけれど、じつに危いところだった。

 

6. Oxfort Street, W1
「プライオリ学校」

FSLの記載: In the 1890's, Oxford Street was as busy as it is today. We know that Holmes did his banking there, because in The adventure of the Priory School, Holmes deposited the Duke's check in his Oxford Street branch bank.

延原訳登場シーン:「そのおつくえの上にあるのは、閣下の小切手帳のように拝見します。恐れいりますが、それでは六千ポンドの小切手をお作り願いましょうか。横線で結構でございます。私の取引銀行はキャピタル・エンド・カウンティ銀行のオックスフォード街支店でございます」

「フランシス・カーファクス姫の失踪」
FSLの記載: In The Disappearance of Lady Frances Carfax, Watson bought his boots at Latimer's in Oxford Street.

延原訳登場シーン:「どうしてまたトルコなんかにしたんだ?」
 シャーロック・ホームズは私のはいているブーツをじっと見つめながらきいた。そのとき私は背もたれを籐づくりにした椅子によりかかっていたのだが、投げだした足さきが、つねに活動をゆるめたことのないホームズの注意をひいたのである。だが私は少し意外に感じて、
「これはイギリス製だよ。オックスフォード街のラティマーの店で買ったんだ」


「バスカヴィル家の犬」
FSLの記載:
In The Hound of the Baskavilles, it was mentioned that both Holmes and Watson used Bradley's in Oxford Street as their tobacconist. They supplied Holmes with his shag, and Watson with his cigarettes. Later, Dr. Mortimer and Baskerville walked down Oxford Street to Regent Street on their way to Northumberland. Holmes and Watson trailed behind, to see who was following Baskerville.

延原訳登場シーン:ブラッドリーの店の前を通ったら、いちばん強いシャグタバコを一ポンド届けさせてくれないか。たのむ。それに晩まで帰ってこないような都合にしてくれるとありがたいのだがな。

(中略)そして私たちは大急ぎで階段をかけおりて表へでた。モーティマー医師とバスカヴィル新従男爵が、二百ヤードばかり先をオックスフォード街のほうへと歩いてゆくのが見えた。(中略)ホームズは二人との距離が半分くらいに接近するまでは、歩調を早めて歩いたが、それからはいつも同じくらいの間隔をたもって、オックスフォード街からリージェント街へと曲っていった。

「ギリシャ語通訳」
FSLの記載: In The Greek Interpreter, Mr. Melas was picked up at his Pall Mall lodgings. The four-wheeler carriage started off through Charing Cross, up Shaftesbury Avenue to Oxford Street. When he commented that this was a roundabout way to Kensington, the windows were covered.

延原訳登場シーン:ラティマーは私と向かいあわせに腰をおろして、馬車はチャリング・クロスをぬけてシャフツベリ・アヴェニューのほうへ駆けてゆきます。それからオックスフォード街へ出てきましたので、これではケンジントンヘ行くには遠まわりのはずだと、思いきっていいかけますと、相手があんまり妙な行動をしたので、出かかった言葉もひっこんでしまいました。

Oxford Streetの西の方の様子。
 
7. Queen Anne Street, W1

ワトソン博士の診療所があった場所ですが、FSLでは、No9としていますが、本編にそのような記載はないようです。伝記作家Boswellが住んでいた所にしたという説明がなされていますが、BoswellがNo 9に住んでいたということも調べられませんでした。ワトソン博士の家については、モーティマー街に裏が接していたという記述が正典にありますが、位置的に若干矛盾があります。今後検証してみたいと思っています。

「高名な依頼人」
FSLの記載: In the case of The Illustrious Client, Watson, who Sherlock called his "Boswell", had his surgery at No.9 Queen Anne Street. Conan Doyle located the surgery there as a tribute to James Boswell, who lived in Queen Anne Street, when he wrote his Life of Samuel Johnson.

延原訳登場シーン:そのころ私はクイーン・アン街に住んでいたが、指定の時刻まえにべーカー街へ詰めかけていた。正四時半になると、サー・ジェームズ・デーマリ大佐が来訪した旨とりつがれた。

通りの様子。

一応9番地も。

8. Sotheby's Auction House, New Bond Street, W1
「高名な依頼人」
FSLの記載:
In The Illustrious Client, Watson, posing as Dr. Hill Barton, took the blue Ming saucer to Baron Gruner's. If pressed on a price, Watson was to suggest that Sotheby's or Christie's set the value.

延原訳登場シーン:「じゃひと組にそろえて専門家の鑑定にまかすといったらどうだろう?」
「うまい! 今日はばかに頭がいいね、君は。それにはクリスティーかサザビーの名をあげるといい。用心ぶかく、君からは値段を切りださないのだね」

 

現在外装を工事中のようです。前には高級車がたくさん停まっていました。

9. Vere Street, W1

「最後の事件」
FSLの記載: In The Final Problem, a brick fell from a Vere Street building, shattering at Holmes's feet. This was just after the near "accident" at Bentinck and Welbeck streets. Now Holmes was sure that Professor Moriarty was behind the incidents.

延原訳登場シーン:「それからは歩道ばかり歩くことにしたが、ヴィア街を歩いているとき、ある家の屋根からレンガが一枚おちてきてね、これも幸い足もとへおちて、微塵にくだけただけですんだけれど、巡査をよんできて調べてみると、その屋根には修繕の準備なんだろうレンガやスレートがたくさん積みかさねてあってね、けっきょく風でそいつが一枚おちてきたのだろうで片づけられちまったよ。

非常に短い通りです。古い建物はないようなので、どのビルからレンガが落ちてきたのかは不明です。

10. Welbeck and Bentinck Streets, W1
「最後の事件」

FSLの記載: In The Final Problem, Holmes was nearly killed by a two-horse van, at the intersection of Welbeck and Bentinck Streets. Holmes thought that Professor Moriarty's hand was behind it.
ひるごろオックスフォード街に用事があって出かけてね、ベンティンク街からウェルベック街へ曲る角をつっきろうとしたら、二頭だての荷馬車がえらい勢いで僕をめがけてとんできたよ。

交差点の様子。T字型に交わっています。


現地探訪はこちらの本を基に行っています。(本文ではFSLと略しています。)

Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London

Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London

  • 作者: Thomas Bruce Wheeler
  • 出版社/メーカー: Iuniverse Inc
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: ペーパーバック
 
延原謙氏の訳はこちらからの引用です。

新潮文庫 シャーロック・ホームズ全集

新潮文庫 シャーロック・ホームズ全集

  • 出版社/メーカー: インターチャネル・ホロン
  • 発売日: 1998/02/06
  • メディア: ソフトウェア


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。