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「ホームズゆかりの地」案内:Covent Garden [ ┣「ゆかりの地」案内]

FSL: Covent Garden (P17~18)

 コヴェントガーデンはかつては野菜などの市場だったそうですが、現在はおみやげ物、洋服などの店舗やレストラン、カフェが並び、大道芸人達が芸を見せるなど、すっかり観光地として有名です。鵞鳥を商う店も実際にあったのでしょうか。(→家禽を扱う店もあったという記録があるそうです。1月9日追記)

地下鉄駅の様子です。

1. Bow Street Police Court, WC2
「唇の捩れた男」
FSLの記載:
Founded 1740, this famous police court was the home of the pre-Scotland Yard policemen. Called the Bow Street Runners, they were paid by the capture, much as bounty hunters are today.

In The Man with the Twisted Lip, Inspector Bradstreet was on duty at the Bow Street Station when Holmes and Watson arrived to unmask Hugh Boone. Boone was, in fact, Neville St. Clair, in disguise.

延原訳登場シーン: シャーロック・ホームズはここにある有名な軽犯罪裁判所でもよく顔が売れていたので、門番をつとめていた二人の巡査がすぐに敬礼し、一人が私たちをなかへ案内してくれた。
「当直はどなたですか?」
「ブラッドストリート警部です」

こちらの場所が当時警察裁判所(Police Court)があった場所です。

現在では警察署になっています。

ただし、普段はしまっている様子です。

2. Burleigh Street, WC2
FSLの記載: 12 Burleigh Street was the location of the new publisher, who introduced Sherlock Holmes to London and the world. The Burleigh Street Magazine was the obvious choice of a name, but The Strand Magazine had a better ring to it.

ストランド誌の編集部があったのがこのBurleigh Streetです。ライシアム劇場からすぐ西側の通りです。

ごらんの通り、非常に短い通りになっています。

一方でBurleigh Streetの角から見たストランド街の様子は次の通り。

西側を見た様子。

東側の様子。向こうはFleet Streetで、Somerset Houseもこの方面です。ライシアム劇場はこの左手のあたりです。

比べても分かるとおり、Burleigh Street MagazineにするよりもStrand Magazineにしたほうが雑誌名としてもはるかにぱっとしたものだったのだろうと想像がつきます。

編集部のあった12番にも行ってきました。(1月5日)

3. Covent Garden, WC2
「青いガーネット」

FSLの記載: In The Blue Carbuncle, Breckinridge had a stand in Covent Garden, where he sold geese. The goose he sold Windigate, proprietor of the Alpha Inn, contained the fabulous jewel. Holmes and Watson walked from the Alpha Inn to Covent Garden, "through a zigzag of slums"

延原訳登場シーン: 「ああ、あれですかい? だが旦那、ありゃ私どもの鵞鳥たアいえませんぜ」
「へえ! じゃどこのだい?」
「ありゃ旦那、コヴェント・ガーデンの仲買から二ダースだけ仕入れたんでさ」
「へえ! 仲買なら私もいくらか知ってるが、どこの店かね?」
「ブレッキンリッジって男でさ」
「その男なら知らなかったね。じゃ君の健康とこの店の繁盛を! さようなら」
(中略)ホルボーン区をよぎって、エンデル街を通り、クネクネしたきたならしい裏町をぬけてコヴェント・ガーデンの市場へ出た。とある大きな店にブレッキンリッジの看板が出ており、鋭い顔つきに刈りそろえた頬髯のある馬みたいな感じの主人が、小僧に手つだわせて雨戸を降ろしているところだった。

ここではいつも歌手やバンドの人たちが歌を披露しています。

4. Endell Street, WC2
「青いガーネット」
FSLの記載:
In The Blue Cabuncle, Holmes and Watson passed through Endell Street on their way to Covent Garden. They were trying to find out the source of the goose, in which the jewel was found.

延原訳登場シーン: ホルボーン区をよぎって、エンデル街を通り、クネクネしたきたならしい裏町をぬけてコヴェント・ガーデンの市場へ出た。

 この写真の後ろがコヴェントガーデンになります。ホームズ達は向こうから向かってきたのだと思いますが、今ではこの通りからコヴェントガーデンに行くあいだには、裏町はなくなってしまっています。後述のLong Acreに出ますので、地下鉄駅を曲がって行くことになります。

(写真は後日掲載予定。→1月8日追加)

5. Lyceum Theatre, WC2

「四つの署名」
FSLの記載:
In The Sign of Four, Mary Morstan asked Holmes and Watson to accompany her to the Lyceume Theatre. She was following he instructions in a mysterious note she received, which described her as a "wronged woman."

The Lyceum Theatre was closed after several fires in the 19th Century. It re-opened in 1904, and was known for Victorian melodramas. After World War II, the Lyceum was converted to a dance hall, and then closed again for several years before being re-open in 1996.

延原訳登場シーン: 『今夕七時、ライシアム劇場そとの左より三本目の円柱まで来られよ。あなたは不当に不幸な仕打ちを受けている女性だから、正義の補償をうけるべきである。疑わしければ二人の友人を同伴されよ。ただ警官を伴ってはいけない。そんなことをすればすべては空しくなるだろう。あなたの未知の友より』
(中略)ライシアム劇場へ来てみると、横がわの入口はもう群衆でいっぱいだった。正面の上等席入口のほうには、二輪馬車や四輪馬車がひっきりなしに到着して、礼装の男や、ショールやダイヤモンドで飾った女たちをおろしては去っていった。指定された第三の柱の下まで行くか行かないうちに、一人の小柄な、黒い馭者の服を着た男が声をかけた。「あなたがたはモースタン嬢のおつれさんですか?」

ライシアム劇場です。何回か改装されているので、モースタン嬢が来た当時とは変わってしまっているはずです。入り口はStrand側ではなくWellington側にあります。現在はライオンキングをやっているのですね。

6. Royal Opera House, Covent Garden, WC2
「赤い輪」
FSLの記載:
Completed in 1858, this is London's leading opera house. In The Adventure of the Red Circle, Holmes said, "By the way, it is not eight o'clock, and a Wagner night at Covent Garden! If we hurry, we might be in tie for the second act."

延原訳登場シーン: 「研究ですよ、グレグスン君。ふるい大学でいまもって知識をみがいているのです。ワトスン君はその収集のなかに、またしても悲劇的でグロテスクな一例を加えたわけだね。ときにまだ八時まえだが、カヴェント・ガーデンでワグナーをやっているはずだ。いまから急げば二幕目には間にあうだろうよ」

「バスカヴィル家の犬」
FSLの記載: After the successful conclusion of The Hound of the Baskervilles, Holmes reserved a box at the Royal Opera House, to see "Les Huguenots."

延原訳登場シーン: ねえワトスン君、われわれは数週間もはげしく働いたのだから、ここいらでひと晩、精神的休養をとろうじゃないか。僕は『ユグノー教徒』の切符を持っている。君はド・レシュケをきいたことがあるかい? じゃ三十分のうちに支度しないか。出がけにマルチーニへよって軽く夕食をとってゆこうよ」

Bow街側に正面の入り口があります。この通りを挟んで反対側がBow Street Police Stationのビルです。

こちらはコヴェントガーデンマーケット側の入り口です。

7. Stanfords (Stanford's), 12/14 Long Acre, WC2

「バスカヴィル家の犬」
FSLの記載:
This famous map shop was founded in 1852. In The Hound of the Baskervilles, Holmes sent to Stamford's for a large-scale Ordnance map of that part of Devonshire, which included Baskerville Hall.

延原訳登場シーン: 「そうさ、からだだけは一日じゅうこうしてひじ掛け椅子にいたさ。気がついてみたら、魂の留守中にコーヒーを大きなポットに二杯と、タバコをびっくりするほどたくさん喫んでいたよ。君が出かけてから、僕はスタンフォードの店から軍用のデヴォンシャー地図をとりよせて、魂だけは一日じゅうそこの沼沢地方を彷徨していた。ちっとも迷わずに自由に往来できたからたいしたもんだ」

1852年開業とのことですが、驚くべきことに未だに店が続いています。現在でも最も大きな旅行関連の本屋だそうです。中に入ってみましたが、確かに地図やガイドなどが充実していました。ホームズやビクトリア時代関連のものもあるかと期待して入りましたが、ホームズ物は見つかりませんでした。電子地図なんかも売ってましたので、今度じっくり時間をかけて訪問したいと思っています。

8. Wellington and Bow Street, WC2

「唇の捩れた男」
FSLの記載:
In The Man with the Twisted Lip, Holmes and Watson returned from St. Clair's home in Kent. On their way to the Bow Street Police Court, they traveled along Waterloo Bridge Road and Wellington Street.

延原訳登場シーン: ロンドン市内にはいると、テムズ対岸のサリーがわの街々では、早起きの人たちが家々の窓から、眠そうな顔をそろそろのぞけはじめていた。ウォータールー橋通りをまっすぐにとばしてテムズを渡り、ウェリントン街を突破してくるりと右へ曲るとボウ街だ。

 

これがWaterloo橋です。

Waterloo Bridge Roadです。向こうが橋、手前の方向がWellington街になります。

北から見たWellington街。右奥がライシアム劇場で、その先でStrandにぶつかっています。Strandを越えるとWaterloo Bridge Roadです。

Bow街を北から見た様子。むこう側がWellingtonに続いています。ここから右に曲がるとCovent Gardenに、手前に行けばBow Street Police StationとRoyal Opera Theatreがあります。


現地探訪はこちらの本を基に行っています。(本文ではFSLと略しています。)

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延原謙氏の訳はこちらからの引用です。

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