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「ホームズゆかりの地」案内:Charing Cross (1) [ ┣「ゆかりの地」案内]

FSL: Charing Cross(P12~16)

Charing CrossはStrandの西に位置し、トラファルガー広場への最寄り駅でもあり、ロンドンのそしてホームズの舞台としても中心の一つであると言えます。登場するサイトも多いため、2回に分けて紹介させていただきたいと思います。

1. Adelaide Street, WC2
「最後の事件」

FSLの記載: The Lowther Arcade had its main entrance on The Strand, and its rear exit on Adelaide Street. In The Final Problem, Holmes instructed Watson to exit the hansom at the Strand end, dash through the Arcade, and enter the waiting brougham on Adelaide Street. If he followed instructions, he would reach Victoria Station just in time.

延原訳登場シーン: そしてこの馬車にとびのって、ローサー・アーケードのストランドがわまでゆくのだが、そのとき行きさきを口でいわずに紙に書いて渡し、御者にその紙を棄てちまわないようにさせるのだ。それから賃銀を用意していて、馬車がとまるや否やとび降りて、九時十五分にアーケードの向こうがわへ出るように加減しながら駆けだすのだ。するとそこに小型の一頭立箱馬車がえりを赤で縁どった黒い外套の御者をのせて待っているから、それへ乗れば大陸ゆき連絡急行に間にあうようにヴィクトリア駅まで送ってくれる。
(中略)そして食事をすましたばかりなのにローサー・アーケードへゆき、そこを懸命のはやさで駆けぬけてみると、黒っぽい外套にくるまったすこぶる大柄な御者ののった一頭立箱馬車がいたから、すぐそれへ飛びのった。

通りの様子です。ごらんの通り非常に短い通りとなっています。マイクロフトが馭者をしていた馬車はこの通りに停まっていてワトソンを乗せたようです。

この通りを東に抜けていくと、当時のチャリングクロス病院(後述)のあった場所に着きます。

2. American Exchange, The Strand, WC2
「緋色の研究」

FSLの記載: In A Study in Scarlet, a letter in the pocket of Enoch J. Drebber was addressed to the American Exchange, Strand. In the 1890's, the American Exchange office was located in the Strand, next to the Charing Cross Train Station's west entry gate.

延原訳登場シーン: 「手紙のアドレスは?」
「ストランドの米国両替所内で、留置きとなっています。どちらも差出し人はガイオン汽船会社からで、会社の船がリヴァプールを出帆する期日のことなど書いてあります。だからこの被害者はニューヨークへ帰るつもりでいたものと思われます」
「スタンガスンという男について調査してみましたか?」
「すぐに手はうちました」グレグスンが答えた。「新聞へのこらず広告を出させましたし、米国両替所のほうへは部下をひとりやりましたが、これはまだ帰ってきません」

 

チヤリングクロス駅周辺のStrandの様子です。

Vineyの写真集に寄ればチャリングクロス駅前にAmerican Exchangeの名前を冠した小さな建物が確認できるのですが、こちらは分所のようで、本体は#449 Strandにあったようです。

このゲートの右側あたりに両替所があったようです。奥がチャリングクロス駅です。

そしてこちらが449 Strandになります。

3. Carlton Club, SW1
「高名な依頼人」

FSLの記載: The Carlton Club was founded in 1832. In 1836, they moved into Pall Mall building, near the Duke of York's Column. In The Illustrious Client, Sir James Damery wrote Holmes from the Carlton Club in Pall Mall. He wanted to consult Holmes on Violet de Merville's infatuation.

延原訳登場シーン: 「大したことでもないのに、ひとりで騒ぎたてているのか、それともほんとに生死の問題なのか、今のところこれに書いてあることだけしか知らないのだがね」
 といってその封書を私に渡した。見るとカールトン・クラブで書いたもので、日付けは前夜になっていた。
(中略)「あなたに連絡したいときは、どうしたらよろしいですか?」
「私はカールトン・クラブにおります。でも急ぎのときは、XXの31というのが私の電話番号ですからどうぞ」

FSLにはのっていませんが、Diogenes Clubの位置を考える上で参考になる記載がギリシャ語通訳にありました。

「ギリシャ語通訳」
延原訳登場シーン: シャーロック・ホームズはカールトンからちょっと離れたとある家の戸口に立って、口をきいてはいけないよと私に注意をしてからホールへはいっていった。

Carlton Clubについて調べてみたところ、1836年から第二次世界大戦で空爆されるまで、#100 Pall Mallに位置していたそうです。

今ではこのビルがある場所がそこにあたります。このすぐ近くにDiogenes Clubがあり、マイクロフトやメラス氏の住まいもあったと思われます。

ちなみに空爆後は#69 St.James's Streetに移転したようです。チヤリングクロスからは遠いのですが、ついでに写真を掲載しておきます。

通りの様子です。

この建物にあると思われますが、クラブだけあって、特に看板が出ているわけではありません。

4. Carlton House Terrace (Carlton Terrace), SW1
「最後の挨拶」
FSLの記載:
On the Duke of York's Step, near the Duke's Column, there are two small doors. One is near, what was once, the German Embasy. In His Last Bow, Von Bork was told; "When you get the signal book through the little door...you can put a finis to youre record in England."

延原訳登場シーン: 「残念だけれど、すこし長居がすぎた。あしたの朝はやく君が暗号書を持って首尾よくデューク・オヴ・ヨーク記念塔の小さなドアにすべり込めさえすれば、イギリスにおける君の活動に勝利の終止をうつことになるだろう。なに、トカイワインじゃないか!」

この#8と#9がかつて在英ドイツ大使館のあった建物です。

階段側から見た旧ドイツ大使館の様子。

この階段の上にヨーク侯記念塔があります。

この写真は階段とは反対側からみた塔です。

上の写真の階段横の壁と建物の間は駐車場につながるスロープになっています。

「プライオリ学校」
FSLの記載:
In The Priory School, the Duke of Holdernesse's London residence was in Carlton Terrace.

延原訳登場シーン: 「ホールダーネス。六代目公爵、ガーター一等勲章、枢密顧問官――半分は肩書ばかりだ――兼ねてビヴァリー男爵、カーストンの伯爵――おやおやまだあるぜ――一九〇〇年以来ハラムシャー州副知事、一八八八年チャールズ・アプルドァ従男爵の女エディスと結婚。嗣子は唯一の男児サルタイヤ卿。所領約二十五万エーカー。ランカシャー及ウェールズに鉱山を有す。住所はカールトン・ハウス・テラス。ハラムシャーのホールダーネス屋敷。ウェールズのバンゴア港カーストン城。一八七二年海軍大臣。国務大臣として……なるほど、これでは現陛下の重臣のひとりだ」

 

通りの様子です。左手前が前述のドイツ大使館になります。


5. Charing Cross, WC2
「バスカヴィル家の犬」

FSLの記載: In The Hound of the Baskervilles, Dr. Mortimer came to London to meet Sir Henry Baskerville, newly arrived from Canada. Sir Henry received a letter at the Northumberland Hotel with the postmark of the Charing Cross Post Office. Holmes wondered how the sender knew that Sir Henry was staying at the Northumberland.

延原訳登場シーン: 「なあに、つまらないことなんですがね。じつは手紙――というのも変なくらいなんですけれど、今朝こんなものを受けとったのです」
 といって従男爵は封筒に入ったものをテーブルの上においた。私たちはみんなでそのまわりに額をあつめたが、それは灰いろがかった普通の封筒で、ノーサンバランド・ホテル気付ヘンリー・バスカヴィル卿と下手な字で宛名が書いてあった。前夜のチャリング・クロス局の消印がおしてある。

チャリングクロス郵便局はこのあたりにあったようです。Strandの西端にあたります。

この中央に見える建物の裏手あたりに郵便局を発見し、もしかしたらチャリングクロス局かと思い行ってみました。

残念ながらトラファルガースクエア局でした・・・。

「バスカヴィル家の犬」
FSLの記載:
Friends of Dr. Mortimer, at the old Charing Cross Hospital, had given hime an engraved walking stick. The Hospital was located in the triangular site where William IV and Agar Streets meet the Strand.

延原訳登場シーン: 「なるほど、それではしばらく C.C.H. はチャリング・クロス病院を意味するものとしておいて、そうすればいったいどんな第二の推定が得られるんだい?」
(中略)なぜかというと、チャリング・クロス病院の幹部になるほどの医者なら、ロンドンでも指折りの人物だから、病院をやめても、田舎へひっこむ道理がないからね。
(中略)ジェームズ・モーティマー 王立外科医学協会準会員、一八八二年入会、デヴォンシャー、ダートムア、グリンペン現住。一八八二年より八四年までチャリング・クロス病院外科医として住みこみ勤務。
(中略)「記念の贈りものですね」ホームズがいう。
「そうなのです」
「チャリング・クロス病院からの?」
「結婚するとき、あそこの二、三の友人がお祝いにくれたのです」

「高名な依頼人」
FSLの記載:
This was also the hospital where Holmes was brought, after he was attacked in The Illustrious Client.

延原訳登場シーン: 加害者はステッキを持った二人組の男で、ホームズ氏は頭部と体を強打され、医師の言によれば負傷の程度は容易ならぬ由。すぐにチャリング・クロス病院へ担ぎこんだが、本人のたっての希望でべーカー街の自宅へ移された。

William IV街です。現在この建物の位置する3つの通りに囲まれた3角形の地域に病院がありました。

この礎石に病院について言及されています。あとは周囲に中国薬局があることぐらいが病院の名残を感じさせるのみです。

この建物は、現在ではチャリングクロス警察署のビルとなっていました。

「ウィステリア荘」
FSLの記載: On a bleak, windy day, in March 1892, Holmes received a telegram from the Charing Cross telegraph office. It was from Scott Eccles, and read; "HAVE JUST HAD MOST INCREDIBLE AND GROTESQUE EXPERIENCE. MAY I CONSULT YOU?" This started The Adventure of Wisteria Lodge.


延原訳登場シーン: 「その電報にあるのかい、怪奇という字が?」
 彼は電報を読みあげた。
信ジガタキ怪奇ヲ体験シタ。調査依頼シタシ。都合シラセ。チャリング・クロス局留。スコット・エクルズ
(中略)「ははあ、電報から足がついたんですね?」ホームズがいった。
「そうですよ。チャリング・クロス局でかぎあてて、やってきました」

「アベ農場」
FSLの記載:
In The Abbey Grange, Holmes sent Inspector Hopkins a telegram from the Charing Cross telegraph office. It advised Hopkins to drag the Abbey Grange Pond. When Hopkins found the silver, he thought Holmes was a wizard.

延原訳登場シーン: 以上がアデレイド・サザンプトン線の船会社で聞き得たことの概略であるが、そこを辞するとホームズは警視庁へタクシー馬車をとばした。しかし、馬車が着いても彼は降りようとはせずに、まゆをしかめてじっと考えこんでいたが、そのままチャリング・クロス電信局へ車をまわさせ、どこかへ電報を一本打ってから、べーカー街へともどってきた。

「ギリシャ語通訳」
FSLの記載: In The Greek Interpreter, Mr. Melas was picked up at his Pall Mall lodgings. The four-wheeler carriage started off through Charing Cross, up Shaftesbury Avenue to Oxford Street. When he commented that this was a roundabout way to Kensington, the windows were covered.

延原訳登場シーン: ラティマーは私と向かいあわせに腰をおろして、馬車はチャリング・クロスをぬけてシャフツベリ・アヴェニューのほうへ駆けてゆきます。それからオックスフォード街へ出てきましたので、これではケンジントンヘ行くには遠まわりのはずだと、思いきっていいかけますと、相手があんまり妙な行動をしたので、出かかった言葉もひっこんでしまいました。

6. Northumberland Avenue, WC2
「高名な依頼人」

FSLの記載: In The Illustrious Client, Watson was walking on Northumberland between the Grand Hotel and Charing Cross Station, when a one-legged newsvendor displayed the headline: MURDEROUS ATTACK UPON SHERLOCK HOLMES. Watson felt a pang of horror.

延原訳登場シーン: 私はあのとき、新聞売子の持っているプラカードをふと見て、魂の底まで恐怖にゆらいだあの地点を、いまでもこの敷石の上だと、はっきり指摘することができるように思う。グランド・ホテルとチャリング・クロス駅の中間に、一本足の新聞売子が夕刊の店をひろげている場所がある。日どりは、前記の会話があってから二日後のことだった。黄いろい紙の上に、黒々と怖るべきことが書いてあった――

シャーロック・ホームズ氏暴漢の襲撃を受ける

通りの様子です。ここをまっすぐいくとトラファルガー広場にあたりますが、その手前あたりに新聞売りがいたと思われます。Grand Hotelについては、Embankment駅の項目で検証します。

(1月17日追加)

The Grand Hotelの位置ですが、FSLではノーサンバランドにあったMetropoleと仮定しているように思います。チャールズ・ヴァイニーの写真集「Sherlock Holmes in London」を見ると、ここで言うGrand HotelはどうやらStrandとの角にあったGrand Hotelのことを指しているようです。従って、Grand HotelとCharing Cross駅の間はStrand上ということになります。(みっちょんさん、ご指摘ありがとうございました。)

この右手のビルが当時のGrand Hotelで正面の道がストランド、右奥にチャリングクロス駅がありますので、正面ビルの左側を駅に向かった途中に新聞売りがいたということになります。

Charing Cross(2)へ続く


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