SSブログ

「ホームズゆかりの地」案内:Kennington [ ┣「ゆかりの地」案内]

Kennington Underground Station P27

先日のロンドンホームズソサエティの南ロンドンツアーでも来ましたが、改めて紹介したいと思います。

1.Kennington Road, SE11

「フランシス・カーファクス姫の失踪」 FSLの記載:In The Disappearance of Lady Frances Carfax, Stimson and Co., the undertaker in Kenningon Road, made the "out of the ordinary" casket for the evil Dr. Shlessinger and his wife. It was deep enough for two bodies.

延原訳登場シーン:「店を出たので、後をつけてゆきますと、ケンニントン街を歩いてゆくうちに、ふとある店へはいってゆきました。それが何とホームズさん、葬儀屋なのですよ!」

(中略)「葬儀はケンニントン街のスティムスン商会に頼んでありますが、あすの朝八時に埋葬してくれるはずです。どこかにまだアラがありますか?」

「六つのナポレオン」 FSLの記載:In The Six Napoleons, Dr. Barnicot, an admirer of Napoleon, bought two plaster busts from Morse Hudson, who had a shop in Kennington Road. Later, both busts were smashed, one in Barnicot's Kennington Road office.

延原訳登場シーン:「報告の出ている事件で最初のは四日まえです。場所はケニントン通りで、絵や彫像を売っているモース・ハドスンというものの店ですが、店員がほんのちょっと奥へはいっているあいだに、店でガチャンと何かの壊れる音がしたので、急いで駆けつけてみると、ほかの美術品といっしょにカウンターにおいてあったナポレオンの石膏の胸像だけが、こなみじんに砕け散っているのです。

(中略)おなじケニントン通りで、しかもモース・ハドスンの店からわずか数百ヤードのところに、バーニカット博士といって有名な開業医が住んでいます。この人はテムズ河以南ではもっともよくはやる医者の一人なのです。このケニントン通りにあるのは本院と博士の住宅で、二マイルばかり離れた下ブリクストン通りにも分院があります。

通りの様子です。

こちらが南ロンドンツアーで葬儀屋があったとの説明があったあたりです。

Kennington Roadを歩いていくと現在もやっている葬儀屋さんを発見しました。

表示によればホームズの時代(1850年)から続くところのようです。残念ながら名前が違います。

2.Knight's Walk (Place), SW11

「四つの署名」 FSLの記載:In The Sign of Four, after following Toby's nose, Holmes and Watson had to make a choice at Knight's Place. Here, the trail split in two different directions. At first, they made followed the wrong trail.

延原訳登場シーン:ケニントン小路のはずれを左へ、ボンド街からマイルズ街へ出て、ナイツ・プレイスへ曲ろうというところで、トビイは急に立ちどまったと思うと、うしろへ走ったり前へ行ってみたり、片耳をたて片耳を垂れて、思案にあまるという格好だった。そしてよくよく困りはてたらしく、ちょいちょい私たちを見あげながら、そのあたりを円く歩きまわった。

(中略)「そうさ。それは幸いなことに、そうあと戻りしなくてもいいんだ。ナイツ・プレイスでまごついたとき、二つの臭跡がいれ交ったのにちがいない。あそこでまちがったのだから、あそこから出なおせばいいわけだ」

現在のKnight's Walkは、通りですらないようで、通りの一角に表示だけあり、分かれ道があるような場所ではありませんでした。

Tobyの追跡については、いずれ経路を検証してみたいと思っています。

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ


  これまで紹介してきた「ホームズゆかりの地」については、ホームページ「The World of Holmes」(管理人:みっちょんさん)の、「地下鉄駅を中心にしたホームズゆかりの地案内」のコンテンツで、リストにしてくださっています。みっちょんさんありがとうございます。 


現地探訪はこちらの本を基に行っています。(本文ではFSLと略しています。)

Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London

Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London

  • 作者: Thomas Bruce Wheeler
  • 出版社/メーカー: Iuniverse Inc
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: ペーパーバック
 
延原謙氏の訳はこちらからの引用です。

新潮文庫 シャーロック・ホームズ全集

新潮文庫 シャーロック・ホームズ全集

  • 出版社/メーカー: インターチャネル・ホロン
  • 発売日: 1998/02/06
  • メディア: ソフトウェア

 

 

その他に参考にしている本はこちら。

Sherlock Holmes in London: A Photographic Record of Conan Doyle's Stories

Sherlock Holmes in London: A Photographic Record of Conan Doyle's Stories

  • 作者: Charles Viney
  • 出版社/メーカー: Smithmark Pub
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: ハードカバー

この本は日本語訳も出ているそうです。

 

シャーロック・ホームズの見たロンドン―写真に記録された名探偵の世界

シャーロック・ホームズの見たロンドン―写真に記録された名探偵の世界

  • 作者: チャールズ ヴァイニー
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 文庫

原典にあたるときはこちらの新注釈付ホームズ全集を使っています。注釈があるので場所の特定に困ったときなど助かっています。

The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories

The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories

  • 作者: Arthur Conan, Sir Doyle, Leslie S. Klinger
  • 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
  • 発売日: 2004/11/08
  • メディア: ハードカバー

New Annotated Sherlock Holmes: The Novels: A Study In Scarlet / The Sign Of Four / The Hound Of The Baskervilles / The Valley Of Fear

New Annotated Sherlock Holmes: The Novels: A Study In Scarlet / The Sign Of Four / The Hound Of The Baskervilles / The Valley Of Fear

  • 作者: Arthur Conan, Sir Doyle
  • 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
  • 発売日: 2005/10/25
  • メディア: ハードカバー

 


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 2

コメント 2

こんばんは。
なかなかホームズの世界を現物で見る機会なんてない私にとって、
tomoさんのブログは、毎回見ていて興奮しっぱなしです(笑)
観る度に、諦めていた英語の勉強も少しずつ頑張ってみようかな~なんて。
私もホームズの足跡を自分の足でたどれるようにtomoさんのブログ見て頑張ります!!
by (2007-07-14 01:20) 

Tomo

whimsyさん、こんばんは。
私もホームズのおかげで目的を持って町歩きできますし、こうして感想もいただけて楽しいです。すごいと思ったのはホームズの活躍した100年前と変わらない建物や通りが多いこと。日本では考えられないですね。
英語の勉強がんばってください。目的があると上達も早いですよね。
by Tomo (2007-07-14 14:07) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。