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ロンドン再発見の旅 [読書(英国)]

このBlogの元々の趣旨は、読んだ本の感想や学んだことを必ず書くことでした。(何事もアウトプットが大切。)その趣旨に立ち返り、日本から持ってきた本や、途中でAmazonから購入した本の感想など、レポート書きの合間の気分転換で書いていこうと思います。(気分転換ばかりというつっこみが入りそうですが。)

これは大昔買った本ですが、読んでいなかったのをこの機会に持ってきたんだったと思います。

ロンドン再発見の旅 (中公文庫)

ロンドン再発見の旅 (中公文庫)

  • 作者: 林 信吾
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1998/03
  • メディア: 文庫

ロンドンでかつて日本語新聞の編集にたずさわっていた著者が、久しぶりにロンドンを訪ねる旅行記となっています。とはいえ、旅行自体がかなり昔(1ポンド=160円台のころ)なので、今旅行する人にとっては旅行情報としては若干ずれてしまっています。面白いのは、10年間ロンドンに暮らした著者が、新たに旅行者として見たロンドンを書いているという点。初めて訪問したのでは分からないロンドンの見方などはとても面白く読めます。今読むことによって、かつて著者が暮らしていたころのロンドン、著者が旅行したときのロンドン(96年だそうです)と現在のロンドンを比べることができます。ツイてる。

旅行記を読むのは昔から好きでした。行ったことがない場所に思いをはせたり、行ったことがあるところであれば他の人の目で見るとどう違って映し出されるのかが面白かったり。自分の知らない何かに出会えるというのが旅の醍醐味ですが、これをさらに自分とは違う誰かの目で見ることができるというのが旅行記の魅力だと思います。

自分でも旅行記書いてみたいなどと思ったこともありますが、文学的センスに欠ける自分がいかに情景を文章に表すのが下手なのか思い知るのみでした。(昔からあまり小説を読まなかったせいですね。ちょっと反省してます。)

著者の林信吾さんの文体はユーモアがあって読みやすいのですが、最初はややスノッブなというか上から目線が気になりました。でも、多分これも人に読ませるための工夫なんですね。お笑いでもそうですが、自分を極端に卑下してみたり、尊大になってみせたりすることに面白さがあると思います。文章でも多分同じなんでしょう。確かに、普通の人が普通に書きましたって言うスタンスよりは刺激があって面白く読めると思います。一ついいことを学べました。ツイてる。

内容について特に示唆に富んでいた部分は、第七章「日本人の風景」の中で述べられている「錯覚を生む街」という段でした。海外に出ると日本人自体の数が少ないので、まるで自分が二階級特進した気分になって、それを自分の実力だと錯覚してしまうという趣旨なのですが、確かにそういった面はあると思います。今後も海外勤務が多くなると思いますので、自戒も込めて覚えておこうと思います。


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