「ホームズゆかりの地」案内:Kilburn [ ┣「ゆかりの地」案内]
Kilburn Underground Station P27-28
Jubilee Lineの北部、Tubeが地上に出るあたりに位置するKilburnのホームズゆかりの地の紹介です。
1.Kilburn High Road, NW6
「青いガーネット」 FSLの記載:In The Blue Carbuncle, James Ryder. Head Attendant at the Hotel Cosmopolitan, heard from his crooked friend, Maudsley, how thieves could dispose of stolen property. Maudsley lived in Kilburn.
延原訳登場シーン:以前に私はモーズリーという男を知っていました。悪いほうへ足を踏みいれて、つい近ごろまでペントンヴィルで服役してきたやつですが、ある日この男とぱったり出あいまして、話がどろぼうの方法や、盗んだものをどう始末するというようなほうへ落ちていったことがあります。この男なら私も二つ三つ痛いところを知っていますし、裏切るような心配はありません。それでキルバーンのその男のところへ行って、仲間に引入れてやろうと思いつきました。
(中略)姉はずっとまえに、クリスマスには鵞鳥をどれでも一羽くれると申しておりましたが、けっして約束を忘れるような女じゃないから、それをいまもらって、そいつに宝石をのませてキルバーンのモーズリーの家までもってゆこうと思いついたのです。
(中略)姉のいうとおりその場で絞めて、絞めたやつをキルバーンくんだりまで担いでいったんです。モーズリーはそういうことはいたってうちあけやすい男ですから、じつはこれこれと話をしますと、笑って、笑って、笑いころげましたが、いざナイフで鵞鳥をたち割ってみて、私はまっ青になってしまいました。宝石なんか影も形も見えません。私はとんでもない間違いをしでかしてしまったらしいのです。
記述が少ないので、もちろん場所の特定はできません。FSLでは、Kilburn High Roadとなっていますが、原文を見ても通り名までは特定されていません。
この通りがKilburn High Roadとなります。
地下鉄もここから先は地上駅となります。
刑務所帰りのモーズリーが住んでいたくらいなので、昔は物騒な場所だったのかもしれませんね。現在は、近くのお店をみると移民の人が多い場所のようです。駅前で野菜を売ってたりと生活感の感じられる場所でした。
これまで紹介してきた「ホームズゆかりの地」については、ホームページ「The World of Holmes」(管理人:みっちょんさん)の、「地下鉄駅を中心にしたホームズゆかりの地案内」のコンテンツで、リストにしてくださっています。みっちょんさんありがとうございます。
現地探訪はこちらの本を基に行っています。(本文ではFSLと略しています。)
Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London
- 作者: Thomas Bruce Wheeler
- 出版社/メーカー: Iuniverse Inc
- 発売日: 2003/09
- メディア: ペーパーバック
- 出版社/メーカー: インターチャネル・ホロン
- 発売日: 1998/02/06
- メディア: ソフトウェア
その他に参考にしている本はこちら。
Sherlock Holmes in London: A Photographic Record of Conan Doyle's Stories
- 作者: Charles Viney
- 出版社/メーカー: Smithmark Pub
- 発売日: 1995/09
- メディア: ハードカバー
この本は日本語訳も出ているそうです。
シャーロック・ホームズの見たロンドン―写真に記録された名探偵の世界
- 作者: チャールズ ヴァイニー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1997/03
- メディア: 文庫
原典にあたるときはこちらの新注釈付ホームズ全集を使っています。注釈があるので場所の特定に困ったときなど助かっています。
The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories
- 作者: Arthur Conan, Sir Doyle, Leslie S. Klinger
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2004/11/08
- メディア: ハードカバー
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