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「知の衰退」からいかに脱出するか? [読書(自己啓発)]

またまた大前研一さんの本を読んでみました。

「知の衰退」からいかに脱出するか?

「知の衰退」からいかに脱出するか?

  • 作者: 大前研一
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/01/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

彼の言う「知の衰退」は、「バブル経済で痛い目にあったあと、世界の誰からも尊敬されない代わりに文句も言われない無浮上対の国になってしまった。(中略)いまやこの国には緊張感がまったくなくなり、政府も地方自治体も、そして個人もたるみ切っている。とくにここ数年の日本社会を見ていると、頭脳を駆使することを放棄している人間、つまり考えない人間が驚くほど増えているのではないかと私は感ずる。」(P007)ということだそうです。その表れとして、納豆がダイエットにいいとテレビで紹介されると翌日に日本中のスーパーから納豆が消えてしまうといった現象をあげています。

本書では、知の衰退の原因である視野狭窄から抜け出すためにどうすればよいのか、今起こっている問題をどう考え、解決策をみいだせばよいのかを一緒に考えていく構成(P021)となっているとおり、まず知の衰退が起こっているということを説明し、金融危機で日本株が一人負けしたこと、食品偽装の多さ、郵政選挙と年金選挙、ネット悪影響論、意欲のない若者、教育、等々について世間一般に言われているような解説ではなく、根本的な原因から考え、その解決を検討する構成となっています。

ここの問題の考察については、それぞれ興味深いのですが、それ以上に役に立ったと思ったのが、思考の道筋でした。世間、というかマスコミの流す情報を鵜呑みにせず、関連する要因を網羅し、根本的な要因を探し、それを解決するような解決策を考える。根本的なことは変えるのがなかなか難しい面があるけど、それを実現可能な形で提言する。この一連の流れというのはどのような場面でも応用していくことができると思いました。

自らを振り返って、知の衰退を起こしていないか反省もさせられました。本書で引用されている斉藤美奈子氏の言葉として「単純なメッセージが好まれる傾向、情緒的な「感動」「涙」への臆面もない傾倒。思えば私たちは本に答えを求めすぎていた。「早く答えを教えて」と謂う態度が為政者をのさばらせる。必要なのは、そうだ、立ち止まり方のレッスンだ。たとえば対話を通して思考を練り直す方法。」(P041、朝日新聞からの引用)というのがありますが、自分の問題について本を読むことで解決しようとしていないか、考えさせられます。本を読んで、ある考え方について知ることだけで満足して、それを自分の問題と照らし合わせてどう実践できるか考え、そして具体的なアクションをおこせているか。Blogに読んだ本の感想や学びなど書くようになって、少しは自分に役に立つと思われることは意識できるようになってきたと思いますが、それを実践に移せているかと言われたら、まだまだ移せていないように思います。習慣化するまで実践して初めて身についたと言えるわけですが、まだまだ改善の余地がありそうです。

また、もう一点、覚えておきたいと思ったことは、次の一文でした。

「誰も率先して行動しようとはしない原題の日本社会において、その作業はあなただけのユニークなものになるはずだ。人と違うことを恐れてはいけない。むしろ、横並び意識を捨てなければ生き残れないと肝に銘ずるべきだ。
「そうだ!僕はユニークな行き方をしよう!!」
この言葉を胸に、身の回りを、そして世界を見渡して欲しい。」(P021)

今日から、考えて行動を起こせる人間になれるよう変わっていきたいと思います。

 


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コメント 4

as

「人と違うことを恐れてはいけない」この言葉は、私のボスが、大きなプロジェクトを任せるプロマネや、重要ポストに抜擢した部下に向かってよく言うフレーズの一つですね(さすがB型)

旧態然とした体質から脱却する為には、人と同じアイデアでは無理だ。ながら思いっきりビックリするようなアイデアをだして、自分に当たって来い、という熱いメッセージがこもっているようです。

ですが、今のこの状態を打破する為には一番必要な心構えと覚悟なのかもしれませんね。
by as (2009-04-19 21:55) 

お茶屋

考えて行動を起こせること、
とっても重要な事ですよね☆
最近ではスポーツの世界でも
そういった指導があたりまえのようですし。

自分もがんばらねばと^^;
by お茶屋 (2009-04-19 23:59) 

Tomo

>asさん、こんばんは。

人と違うことに抵抗を感じず、がんがん進んでみたいと思うのですが、なかなかそういう場面もないですね。数少ないチャンスをものにしていかないと。がんばらないと。
by Tomo (2009-04-20 21:27) 

Tomo

>お茶屋さん、こんばんは。

私もサッカーをやってたのですが、頭よりも体や感覚に頼っていて、十分に考えていなかったかもしれないと今は思います。今プレーすると、体は動かなくなりましたが、視野は広くなってますし、パスコースの選択肢が多くなったような気がします。
by Tomo (2009-04-20 21:29) 

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