ST警視庁科学特捜班 桃太郎伝説殺人ファイル [読書(楽しみ)]
久しぶりにSTシリーズを読みました。
ST 桃太郎伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班 (講談社文庫)
- 作者: 今野 敏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 文庫
STというのは警視庁に作られた科学特捜班のことで、法医学者、薬物のエキスパート、プロファイラー、化学担当、物理担当からなる特別チームのことです。
それぞれ担当についてのエキスパートなだけではなくて、特殊な能力ももっているのも特徴です。たとえば、化学担当の黒崎は古武道の達人で嗅覚が異常にきいたり、物理担当の結城は聴力が異常に発達していたり。この二人が組むと、相手の鼓動や緊張して流す汗のにおいも感じ取るので、嘘発見器異常に、嘘を見抜けたりします。
STシリーズは、こうした個性的なメンバーたちとそれをまとめるちょっと頼りないキャリアの百合根が活躍する警察小説です。
すでに各メンバーの個性や能力、来歴については、これまでのシリーズで明らかになってきているので、すでになじみのキャラクターがどう活躍しているのかが今のシリーズの魅力。
実はこの桃太郎伝説の前の為朝伝説を読んでなかったことに気づきましたが、特に関連性は(ちょっとはあったけど)ほとんどなかったので問題ありませんでした。
本作は、岡山にゆかりのある(悪い意味で)3人が誘拐殺害され、その遺体にモモタロウと五芒星が刻まれていたという事件にSTが取り組むというもの。メンバーのうちでプロファイリング担当の青山がメインの活躍をする話になっています。
するすると読めてしまうのですが、すでに知っているキャラクターたちの活躍なので、事件に没頭していけました。かえって各メンバーの紹介の繰り返しが煩わしいくらい。
キャラクターはちょっと現実離れした感はあるのですが、捜査や現場の雰囲気がかなりリアルなので、あまり非現実感を感じずに読むことができます。この辺が今野敏さんの持ち味なのかもしれません。別のシリーズはかなりシリアスな警察内部の話などもでてきますので、ちょっと色合いは違いつつも、リアリティーは失っていません。
為朝伝説を読み逃しているので、ちょっと本屋で探してみようと思います。
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