「美味しんぼ110 福島の真実編 上巻」を読みました。

美味しんぼももう100巻を超えて110巻となりました。初期からはまってずっと読み続けています。

山岡さんも栗田さんと結婚し、双子に続いて第三子も出産。海原雄山とも一応の和解を果たすなど、100巻を超えて物語も終盤にさしかかっているのかもしれません。

とはいえ雄山との和解の後も、日本全県味巡り企画や震災、料理人特集などで続いています。そして110巻ではいよいよ福島と原発がテーマとなっています。

 

電子版が出ていましたので早速読んでみました。

美味しんぼ 110 (ビッグコミックス)

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雁屋 哲 小学館 2013-08-30

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2011年11月、2012年5月、6月に現地取材をした内容がまとめられています。実際に原作者の雁屋さんが取材したのではないかと思いますが、美味しんぼの中では山岡さんの東西新聞と、海原雄山の帝都新聞の合同取材という形になっています。

農業関係者を主に訪問して話を聞いているのですが、やはり放射線による被害が深刻なこと、そして放射線の影響が小さかったり無かったりしても福島産ということで買ってもらえないという風評被害に苦しんでいる様子がよく分かりました。

 

108巻でも被災地を訪問しているのですが、このときは被災に負けずに前向きに頑張っている人たちを多く描いています。しかし、対照的にこの110巻では何とか頑張ろうとしているものの放射線の影響が長すぎて絶望しかけている人が多く描かれているように思いました。

 

これは地震・津波による被害と長年にわたって苦しめられる放射線による被害との性質の違いによるものだと思います。読んでいてつらくなる話が多くありました。

 

 

 

そして福島の話と並行して、山岡さんと海原雄山の和解がさらに本質的に進みそうな展開もありました。この110巻では詳しくは語られないのですが、二人のルーツに関係することのようです。111巻で進展があることが予想されます。

 

冒頭にも書きましたが、いよいよ物語も終盤なのでしょうか。それともこれまであまり本筋に登場してこなかった山岡家の子供達のことなどで続くのでしょうか。

 

長年にわたって愛読してきたので、末永く続けて欲しいという思いは強いのですが、美味しんぼらしい大団円を迎えて欲しいという思いもあります。