三国志 二の巻 参旗の星 [読書(楽しみ)]
北方三国志の第二巻です。
第二巻は呂布が董卓を殺すところから、呂布が劉備から徐州を奪うところまでです。
この巻を読むと、北方氏が呂布に思い入れがあるのではないかと感じます。演義をはじめとして、呂布は裏切り者、暴力的、頭は悪い、しかし戦はめっぽう強いといった描き方をしているのですが、本書では一貫して人間呂布としての描き方をしています。生まれから来た性格、妻への思い、赤兎との友情を丁寧に描いているため、非常に魅力的なキャラクターになっていると思います。
呂布に限らずですが、どの人物も人間離れした英雄ではなく、人間として描かれていることから、荒唐無稽なことはまったくおこらず、他の豪傑にしても、戦においてもリアルに感じられる程度の活躍ぶりとなっています。
また劉備にしても、正史と演義のギャップを、張飛を使うことでうまく埋めていますし(逆もですが)、演義での描き方よりも深謀遠慮を働かせていることになっているので、また新たな魅力となっているように思います。
一つだけ難があるとしたら、大げさなキャラづけがされていないので、均一的に感じられてしまう時があることでしょうか。リアルに書くので仕方ない点なのかもしれませんが。
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