ドナウの旅人 [読書(楽しみ)]
ベオグラードに住む方からお願いされて持って行ったのですが、ベオグラードに行くときに荷物がロストしたためそのまま日本に帰ってきてしまいました。
まだ東欧が共産圏だった時代の話です。
突然ヨーロッパに旅立ってしまった母を主人公・麻沙子が追ってドイツに向かうところから話が始まります。麻沙子はかつてドイツに住んでいて、結婚直前で別れて帰ってきてしまった恋人・シギィに再会し、母とその不倫相手を見つけ、彼らとともにドナウの果てまで旅をする、というのが大筋です。
ドイツからオーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、ルーマニアと旅していくのですが、民主化された現在とは違う東欧が描かれているのが興味をそそられました。実際に宮本輝さんが同じ行程で旅行をしたそうで、その記録も本になっているようで、こちらも読んでみようと思います。
母の不倫相手が17歳年下の男で、莫大な借金を背負っていることから、その追っ手が現れたり、各地での出逢いや別れがあったり、惹きつける要素が多いのですが、当時は新聞に連載されていたということで、こうした盛りあがりが繰り返されるのもそのためかもしれません。
今回訪問したベオグラードも登場していました。こうして本で舞台となっている街に実際にいるというのも面白い経験で、本もその場所もより印象に残ります。どこかに行くときには、その場所が登場する本を持って行くというのはなかなかいいですね。
「ドナウの旅人」は新聞の連載で読みました。
もう随分昔なので細かなことは忘れましたが、読んでいて感じたのは恋愛を燃え上がらせる要素の「障害」と言うものを作るのが難しくなったな、と言うことです。
単純な、妻子あり男性の恋愛、人妻との恋では話は続かない、、、
だからかなり年上の女性との恋愛+借金と子供世代の恋愛をからめてあまり知られてない外国を旅する、、
最後があっけなく「解決」してしまってあれって思いました。
解決と言うのも変ですけどね。私の記憶ではそれはないでしょ、です。
by みっちょん (2009-09-07 20:06)
>みっちょんさん、おはようございます。
最後の解決方法は、これしかないというもので、読んでいる途中でもしかしたらと思っていたら、その通りになってしまいました。でも、一気に読んでいるとそれなりに悲しく感じました。
by Tomo (2009-09-08 08:25)
二人が普通の生活を共にして暮らして欲しい、、、と
思っていたのでちょっとショックだった記憶があります。
おとぎ話のようにめでたし、めでたし、で終わらないのは
判るのですがそれにしても悲しいと言うか悔しかったです。
感情移入しすぎですね(笑)
by みっちょん (2009-09-08 21:02)
追伸です。
来年の三月の事をおよよさんにお聞きしました。
とても楽しみにしています!
by みっちょん (2009-09-08 22:03)
>みっちょんさま、
悲しい終わり方でしたね。絹子さんには途中から感情移入できるようになってきただけに。
三月は楽しみです。お手伝いすることでよりよく分かると思いました。
by Tomo (2009-09-11 00:34)