「ホームズゆかりの地」案内:Notting Hill Gate [ ┣「ゆかりの地」案内]
Notting Hill Gate Underground Station P30
ノッティングヒル周辺のホームズゆかりの地を紹介します。
近くにポートベロマーケットがあったり、レストランやお店も多いので休日は人でにぎわっています。変わったところではチャーチルパブなんていうのもあったりします。
1.Ladbroke Grove (Lower Burke Street), W11
「瀕死の探偵」
FSLの記載:Although the name was modified, Ladbrloke Grove fits the lacation of Lower Burke Street. This is where Culverton Smith rented a house "in the vague borderland between Notting Hill and Kensington." In The Dying Detective, Smith was a well-known resident of Sumatra, and an expert on oriental diseases.
延原訳登場シーン:「それからそこに砂糖ばさみがあるだろう?それであの象牙の小箱をはさんでね、その紙のところへおいてくれたまえ。そう。それでいいから、ロワー・バーク街十三のカルヴァートン・スミスという人を呼んできてくれたまえ」
(中略)「聞いたことのない人だね」
「そうだろうね。君は意外に思うだろうが、この病気にもっとも精通している人物というのは、医者じゃなくて農園主なんだ。カルヴァートン・スミスはいまロンドンへきているが、スマトラでは有名な居留者だ。」
こちらがLower Burk Stと思われるLadbroke Groveの様子になります。
Sherlock's London Todayでは、ここではなくPeel Streetがだとしていますので、説が分かれているようです。
地図で見ると下のような位置関係ですね。Peel StreetはNotting Hill Gateの南数本下の東西に走る小さな通りです。2で登場するCampden Hill Rdが目印の東に縦に走っています。
2.Campden Hill (Campden House) Road, W8
「六つのナポレオン」
FSLの記載:In The Six Napoleons, Campden House Road is where Lestrade said on of the Napoleon busts had been found. It had been broken into fragments, in the front garden.
延原訳登場シーン:「それで胸像はどうなりました?」ホームズは念いりに写真を見てからいった。
「あなたのお出でになるちょっとまえに報告がありました。カムデン・ハウス通りの空家の前庭で発見されたそうです。こなみじんになってね。これからそこへ行ってみるところですが、いっしょにいらっしゃいますか?」
Pitt Streetとの位置関係ですが「胸像の破片の発見されたという場所は、そこから二、三百ヤードしか離れていなかった。」と書かれています。位置関係を一応確認しておきましょう。(矢印の影で見にくいのですが、矢印がPitt Street、その西側に縦に走るのがCapmden Hill Rdです。)Pitt Streetについては、High Street Kensington駅編で紹介します。)
3.Notting Hill
「ブルース・パーティントン設計書」
FSLの記載:In The Bruce-Partington Plans, Mycroft sent Holmes a list of the biggest international spies in London: "Adolph Meyer of 13 Great George Street, Louis La Tothiere of Campden Mansions, Notting Hill, and Hugo Oberstein, 13 Caulfield Gardens, Kensington."
延原訳登場シーン:小物は多いけれど、こんな大事件を手がけるものはいくらもいない。考慮の価値あるものを列記すれば、ウエストミンスター区グレート・ジョージ街一三番のアドルフ・マイヤー、ノッティング・ヒルのカムデン住宅館のルイ・ラ・ロティエール、ケンジントン区コールフィールド・ガーデンズ一三番のフーゴ・オバーシュタインの三人のみ。
カムデン住宅館がどこか分からなかったのでとりあえず駅周辺の様子です。Sherlock's London Todayでは、前述のCampden Hill Roadのどこかにカムデン住宅館があったとしています。
最後にFinding Sherlock's Londonにはのっていませんが、次のシーンでノッティングヒルの名前が出てきます。
「バスカヴィル家の犬」
延原訳登場シーン:「ふむ、密告した者にはたしか五ポンドの賞金が出るはずだったね?」
「そうでごぜえますだがね、五ポンドくれえに目がくれて、のどさかっ切られちゃたまったもんでねえでがす。こんどなア、ただのどろぼうと違えますで、人を殺すくれえ何とも思ってねえだからね」
「誰だね、いったい?」
「セルデンでがすよ、ノッティング・ヒルの人殺しの」
その事件なら私はよくおぼえていた。あれは犯罪史上にも珍しい凶悪な事件で、手口がひどく残虐をきわめていたため、ホームズがとくに興味をもった事件だった。
これまで紹介してきた「ホームズゆかりの地」については、ホームページ「The World of Holmes」(管理人:みっちょんさん)の、「地下鉄駅を中心にしたホームズゆかりの地案内」のコンテンツで、リストにしてくださっています。みっちょんさんありがとうございます。
現地探訪はこちらの本を基に行っています。(本文ではFSLと略しています。)
Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London
- 作者: Thomas Bruce Wheeler
- 出版社/メーカー: Iuniverse Inc
- 発売日: 2003/09
- メディア: ペーパーバック
- 出版社/メーカー: インターチャネル・ホロン
- 発売日: 1998/02/06
- メディア: ソフトウェア
その他に参考にしている本はこちら。
Sherlock Holmes in London: A Photographic Record of Conan Doyle's Stories
- 作者: Charles Viney
- 出版社/メーカー: Smithmark Pub
- 発売日: 1995/09
- メディア: ハードカバー
この本は日本語訳も出ているそうです。
シャーロック・ホームズの見たロンドン―写真に記録された名探偵の世界
- 作者: チャールズ ヴァイニー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1997/03
- メディア: 文庫
原典にあたるときはこちらの新注釈付ホームズ全集を使っています。注釈があるので場所の特定に困ったときなど助かっています。
The New Annotated Sherlock Holmes 150th Anniversary: The Short Stories
- 作者: Arthur Conan, Sir Doyle, Leslie S. Klinger
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2004/11/08
- メディア: ハードカバー
イギリスって路地の看板ひとつ取ってもすごく素敵ですよね~。
「Finding Sherlock's London: Travel Guide to over 200 Sites in London」
↑これ、すっごく気になります!!
今からでもきちんと英語の勉強し直そっかな・・・という気になりました=笑。
by heidi (2007-08-22 09:58)
Finding Sherlock's Londonは町歩きのバイブルになっていて、すでにぼろぼろです。こういう本があるのもホームズの魅力だと思います。
by Tomo (2007-08-22 16:46)