Barに灯ともる頃 [映画]
昔見た映画を見直してみました。
イタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニと、これもまた私の好きな映画、「イル・ポスティーノ」に出ていたマッシモ・トロイージが親子を演じています。
男親と息子というのは、なんとなく気恥ずかしいところがあるのですが、その辺が二人の演技でよく出ていると思います。ジェネレーションの違いや性格、職業観、家族観の違いなどが似ているようで違っている、お互い口には出さないけどつながっているという不器用な関係が良く表されていると思います。ほとんどのシーンが二人の会話で成り立っているのですが、これらの要素が全て出ていて、ヴェネチア映画祭で二人が主演男優賞を取ったのも納得です。
ストーリーは、田舎町で兵役に就いている息子を、有名な弁護士である父親が訪問してともに過ごす昼から夕方までのお話で、父が息子のことを知ろうとあれこれ話をしたり、息子が行きつけの街のあちこちに一緒に行くというだけなのですが、家族の背景や、父の知らない息子の世界をかいま見ることで生まれる父の寂しさや、父に憧れつつ同じ道を歩めない息子の気持ちなどが台詞や動作から段々分かってきます。
原題はChe ora e?というタイトルですが、 これは「今何時?」という意味。小道具としておじいさんの懐中時計が登場しますが、これが二人の、特に息子の性格をよく表す小道具となっていて、この時計のおかげで最後もじわっとくるシーンになっています。邦題も悪くないのですが、原題の方が味わい深い気がします。
イタリア語の響きもいいですね。でも、おっしゃっているように邦題も
情景を連想させるなかなか良いものだと思います。
タイトルって大事ですね。
イルポスティーノを思い出したらティレニア海側の南イタリアに行きたくなりました。
by Pace (2008-05-13 22:50)
これは父親、あるいは息子、どちらの立場で観るか
どちらに感情移入するかで印象が変わる映画ですね。
僕ももっと歳をとってから見ても楽しいかな?
by ken (2008-05-14 02:36)
>Paceさん、こんにちは。邦題もなかなかですが、最後のシーンを考えると原題もいいなと思いました。でも味わいの点では邦題でしょうか。イルポスティーノももう一度見直してみようと思いました。
>kenさん、Niceとコメントありがとうございます。私もどちらかというと息子の方の気持ちに近いので、父親がこういう行動したらちょっと気恥ずかしいだろうなと思ってしまいました。でも、ところどころに父親を尊敬していることが父にも分かる場面があったりするところは、父親もうれしいだろうと想像したりしました。
by Tomo (2008-05-15 13:46)