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「坂の上の雲 8」 [読書(楽しみ)]

ついに「坂の上の雲」も最終巻になってしまいました。

坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)

坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 文庫

満州で陸軍が薄氷の勝利を得たのですが、外交的に過ちを犯してしまったために和平に至らず、海軍の勝利が求められることになったというのが7巻の展開。本巻で、いよいよバルチック艦隊との日本海の海戦が描かれます。

バルチック艦隊がどのルートを通ってウラジオストクに向かうのか、そのルートに日本海軍の命運が託されていたことから、参謀である秋 山真之は相当に悩んだようです。彼の仕事は海戦の作戦を立てるところまでということで、海戦が始まればあまり役割はないのですが、その作戦もバルチック艦 隊が日本海のルートを通らないと台無しになってしまいます。彼を含め参謀はルートに頭を悩ませたようですが、東郷平八郎は悩むこともなく日本海ルートを来 ることを確信し待っていたようです。そこが彼の将帥としての器ですね。

大将は運がよくないといけないという理由(だけではありませんが)で 東郷が抜擢されたそうですが、日本海の海戦では、このルートの問題だけではなく随所で運のよさがあったというのが幹部達の感想だったそうです。運というの は目に見えず、能力よりも分かりにくいものですが、命運を分けるという意味ではやはり重要なようです。

運にも助けられて、海戦史上でも類を見ないほどの勝利を得ることができた日本海軍ですが、このおかげもあり無事にポーツマスでロシアとの和平が成立しました。

明 治の歴史については、これまであまりよく知らなかったのですが、この本を読んで当時の雰囲気や人々の考え方が少し分かったような気がします。武士の名残も 残しながら、植民地にならないために必死に西洋化を進め、分不相応の軍隊を持ち戦ったということがどういうことだったのか。それを秋山兄弟や正岡子規の目 を通すことで、よりよく理解できたような気がします。

もう一つとっても参考になったのが、リーダーのあるべき姿でした。東郷平八郎、大山 巌、乃木希典などのリーダー達のどこが良く、どこが悪いのか。それが戦争の結果となって現れてくるというシビアな状況下ではよりよく分かってしまいます。 彼らの背負っていた命運とは比べるべくもありませんが、リーダーになったときには少しでも彼らを見習って(あるいは反面教師として)いけたらと思います。 そういう意味では、リーダーシップ論としても良い教科書とも言えると思います。リーダーシップに注目してもう一度読み返してみたいと思います。

読み終えて、今日本という国がこのようにあるということは、様々な人たちの犠牲や頑張りがあったということを改めて感じました。もう少し日本の歴史について知らないといけないといけないと思いましたので、少しいろいろと読んでいって見たいと思います。


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