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オーデュボンの祈り [読書(楽しみ)]

重力ピエロにもちょっと登場していた喋る案山子の話が読みたくて、オーデュボンの祈りを読んでみました。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 文庫

伊坂幸太郎さんのデビュー作だそうです。

コンビニに強盗に入った伊藤は失敗して警察につかまったが、載せられていたパトカーが事故を起こしたすきに逃げたところを不思議な島の住人に島に連れて行かれる。その島は、誰にも知られていない島で鎖国していて、未来を知っている喋る案山子がいて・・・

というストーリーですが、設定としてはかなりシュールな気がします。これまで読んだ伊坂さんの作品は、ちょっとだけ現実離れはしているものの、どこか現実にありそうでないような、そんな感覚だったのですが、喋る案山子というのはちょっとあり得ない設定かと思って読み始めたのですが、読んでいるうちに、だんだんこんな世界もあってもおかしくないような気になってくるのが不思議。

伊坂さんらしく、メインのストーリーと平行して別のストーリーが進んで最後にそれがクロスするという手法がとられていて、読み進めるのが爽快に感じます。今回は大きく二つのストーリー、不思議な島にいる主人公の僕・伊藤の話がメインで、彼の元恋人をおそう危機が所々に挿入されていて、この二つが一つに交わっていくのですが、その他に風変わりな島の住人達のストーリーも徐々に一つに結びついていくという凝ったしかけになっていました。

その後の作品よりも、伏線が細かく張られているので、最後の展開はそれぞれのエピソードが一つに終息していく味わえます。ダイ・ハードの最後のシーンのような感覚でした。

今日の夕方購入したのに、深夜には読み終わってしまいました。引き込まれて一気に読みたくなってしまう魅力がある作品でした。

 


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コメント 2

Betty

この作品好きです。
不思議な世界観があってムードを楽しみました。
喋る案山子が印象的です。
by Betty (2009-04-16 09:57) 

Tomo

>Bettyさん、こんばんは。

不思議な世界観には確かに引き込まれました。印象的な登場人物が多いのですが、なんと言っても桜でしょうか。良かったです。
by Tomo (2009-04-17 23:47) 

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