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図解コーチングマネジメント [読書(自己啓発)]

ここのところコーチングに興味があります。興味を持つとおもしろい者で、次々に関連の話を聞いたり、本を貸してもらったり、本屋で買ったりと縁が深まる気がします。

この本も、ちょうど本屋でコーチング関連の本を買った次の日に同僚に偶然貸してもらいました。

図解コーチングマネジメント

図解コーチングマネジメント

  • 作者: 伊藤 守
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァートゥエンティワン
  • 発売日: 2005/04/21
  • メディア: 単行本

表紙にも「入門書として要点整理ノートとして」と書いてあるとおり、図解入りでコーチングの基本が解説されています。

コーチングというのは、本書によれば「会話を重ねることを通して、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、目標に向けての行動を促していくプロセス」だそうです。スポーツのコーチの概念をビジネスに応用した手法のようです。

コーチングがなぜ必要とされているのかということ、基本的なコーチングのスキルについて、丁寧に解説されています。どこかで聞いたことがあると思ったら、昨年うけた社内研修にコーチングの時間があり、そのとき講師として来てくださった方の所属する会社の社長さんが書いた本でした。

上にも書いたとおり、コーチがコーチを受ける人に対して、質問を通じて目標を達成する過程をサポートしていくのですが、その質問の仕方とそれがどのような人間の心理に基づくかがコーチングスキルの要のようです。

具体的におもしろいと思った点には次のようなものがありました。

「クローズドクエスチョンであるYesかNoは選択ではなく脅迫。選択とは3つ以上の選択肢が用意されて初めて成り立つ。」

「アクナレッジメントは、相手の到達点をそのまま口にすることで、相手が達成感を持つように導く行為。ほめることとは異なる。あなたは○○だというのは、そういう君を認めている私は君より偉いというニュアンスが含まれる。あなたが○○したことは、私にこんな影響を与えているといえば、自分にとっての事実を伝え受けとる側の抵抗は最小限になる、さらにあなたが○○したことは、私たちにこんな影響を与えているといえば、相手との距離がぐっと近くなる。」

「ゴールとそれに至る道程をくっきりとビジュアライズしていく。目標を設定する際には、数値で表せる客観性があるか、何を学べるか、どんな体験をするかの3点から検証する。」

「現役時代優秀な成績をあげていた人でも、当時の状況やイメージを言葉にできないとしたら、優秀な部下を育てるのは難しい。行動を起こすときに内面で起こっている一連の心の動きをソフトモデルという。」

今の職場では管理職ではないし、明確な意味での部下という人はいないので、具体的にコーチングを行う対象はいないのですが、同じチームの同僚(特に後輩)とのコミュニケーション、上司とのコミュニケーションなどでコーチングのスキルをうまく応用できると思いました。ただし、これは研修を受けた時も感じたのですが、コーチする相手を主体に考えないと、単に相手を操るだけになってしまうので、その点は注意が必要だと思います。(一方で、明確に悪意とまではいかないけれど、自分のための相手をうまく操るスキルにも実は興味があって、一冊読みかけです。)

本書で気がついたことは、コーチが経営者が外部から雇ったコーチなのか、企業の中で部下を持つ管理者なのか一定していないところで、若干わかりづらい気がしました。本書の中では、コーチングが一番有効なのは、「リスクの高い職務に従事する能力の高い人材」となっていますので、マネージャーや経営者がコーチを雇う場面を想定しているのかもしれません。であれば、このスキルは本職のコーチを目指す人向けで、一般の管理者が部下をコーチするというのは、本来のターゲットではないのかもしれません。

とはいえ、コミュニケーションの一つの知識として、応用範囲は広いと思いますし、そうした意味では、本書のようなコーチングの基礎が簡単に説明してある本は、一読してみる価値はあると思います。


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