「漫画と図解」ボロ儲けのカラクリ [読書(マネー)]
銭金の話をするというのははばかられる、そんな気持ちを持っていたこともありましたが、最近はむしろ積極的に知りたいと思うようになってきました。いろいろな国で、お金がないために自由になれない(ここでいう自由というのは職業の選択だったり、健康だったり、教育だったりするのですが)現実を見てきたせいもありますが、せっかく恵まれた環境にいて、自由を追求できるチャンスがあるのであれば、きちんと向き合っていきたいと思っています。
そういうこともあって、最近お金関連の本や雑誌を読むことが多いのですが、コンビニで見つけたこの本は、最初は立ち読みですますつもりが、途中で購入に切り替えてしまったほどパワフルな一冊でした。
青木雄二さんと言えば、モーニングで連載していた「ナニワ金融道」で有名な方ですが、連載終了後、こうしたお金関連の本を出されています。(青木さんは一昨年逝去されていますので、これは生前の作品をまとめたもののようです。)青木さんご自身、水商売も含め30職種を経験してきた方なので、様々な経験からお金のことを学んできたのだと思います。
そういえば、「ナニワ金融道」は、連載当時は、人の暗部を見せられているようで、あまり好きではなかった記憶がありますが、少しいろいろなことを見てきた今であれば、興味を持って読むことができます。
さて、本書ですが、「ゼニを巡る世界を図とデータでわかりやすく解説した」と本人が書いているとおり、経済・金融情勢編、ローン・借金編、職場・リストラ・生活編、貯蓄・投資編、ギャンブル・女編、悪徳商法・詐欺編、用語・電話・URL編と幅広い話題を、図と漫画付きで解説しています。
ヤミ金や悪徳商法は、こんな仕組みだったんだということが分かったくらいで、近づかないようにしようという点では参考になりましたが、今の生活ではそれほど関係なさそうです。銀行や生保のひどい実態が事実を元にこれでもかと紹介されているのも、書かれた時期以降の動きを見ているとまさにそのとおりだということが分かっています。ちょうど、銀行やクレジットカード、保険を見直そうと思ってましたので、関連の記載は参考にしようと思ったのですが、どれもこれもあまり魅力的な話はなく少し暗い気持ちになりました。どの銀行も100万円あずけて年に5円しかつかないのに、振り込み手数料は何百円もとったり、24時間ATMがなかったりするということがデータとともに書かれるとがっかりします。生命保険も信頼がおけない、投資をしようと思っても海外投資は為替リスクが高い、投資信託は他人任せになるので損したら悔しい、不動産投資も空室、災害、老朽化などのリスクが高い、といったことが書かれています。結局どうすればよいのか、また調べて考え直さないといけないようです。
細かなことは他にもいろいろあるのですが、結局一番の教訓は、世の中の仕組みをしっかり把握して、自分の頭で考えて、国や政治家にだまされないようにしようということなのかもしれません。
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