論理的に書くためのルールブック [読書(自己啓発)]
最近ちょっと難しめの報告書を書く機会があったのですが、言いたいことをどう導くか、非常に苦労しました。調査して見つけたFindingsをどうつないで、自分のアイデアを書くというのは、いつも難しいのですが、今回は特に事情があって、調査を途中から引き継いだため、特に頭を使ったような気がします。
実は、その昔短期間のライティング(テクニカル・ライティング)のコースをアメリカで受講したことがあります。論理的な書き方のごくごく基本だけを習ったのですが、それ以来、良い文書、論理的な文章をかきたいと思っていろいろな本を読んだり、セミナーを受講したりしています。
今回読んだ本は、これまで読んだライティングの本とは若干違った構成だったこともあり、本屋でぱらぱら見た後に、購入してしまいました。
書き方の本はたくさんあり、アウトラインの作り方、構成などについて解説しているケースが多いのですが、この本は論理的に書くことだけにフォーカスし、そのための30のルールが解説と例文を基に完結に説明されています。例えば、「前提と結論をはっきり示す」、「複数の例を示す」、「情報源を示す」、「原因から結果が導かれる道筋を説明する」といった、読めば当たり前と思えるようなことも、改めて羅列されると、普段いかにこれらの点を忘れて書いてしまっているか、痛感させられます。
また演繹的論証についても、詳しく解説されており、非常に参考になりました。これまで、何となくしか認識していなかった演繹法も、様々なパターンがあり、使い方もいろいろとあることが分かりました。個人的には、シャーロック・ホームズの例が使用されているのも好感度アップです。
最期に、誤って使いやすい誤謬についても、列記されていますので、自分が使っていないかチェックできるようになっています。
著者がアメリカ人であるため、日本語の文章に活用できることが書いてあるか、少し不安にも思ったのですが、簡潔なルールとして書かれているためか、まったく杞憂に終わりました。アメリカでライティングを勉強した時に感じたのですが、Thesis Statement(主題となる文章というのでしょうか)をまず書いて、それをサポートする根拠を示し、最期にまとめとして改めて結論を書くというのは、英語で読むとしっくりくるのですが、それを日本語で書くと、構成というか読みやすさ的にどうもしっくりこない気がしています。
読み終わって感じたのですが、先日読んだ「コールドリーディング」は、こうした論理的なルールを念頭に見ていくと、いかにルール違反を巧妙にしているかよく分かりました。それをばれないようにする技術に改めて感心した次第です。
私も数年前にロジカルシンキングや論理的に議論を構成する本を何冊か読みました。お陰でメールでもポイントを明確にしたり、伝えるべきことをマネージメントに伝えることができるようになってきました。上手く伝わるようになるって、楽しいですよね♪
by usagi (2005-11-26 04:12)
usagiさん、コメントありがとうございます。私もいろいろと本は読むのですが、気をつけないと、メールなどもだらだらと書いてしまっていていつも反省しています。上手く伝えられたと思ったときはうれしいですよね。
by Tomo (2005-11-26 09:03)
そうですね、まさに英語のライティングの手法ですよね。
日本語は論理にあいまいさを残している言語なので、論理的なつながりがなくてもなんとなく通じてしまう、あるいは書かれた文章の意味を論理的に再構築するという作業が生じてくると思います。特に後者はビジネスや外国語とのやり取りが必要となる場で顕著になるのではないでしょうか。
by ちくりん (2005-11-26 20:16)
英語と日本語の文書の違いに顕著に表れていますが、やはりコミュニケーション文化の違いというのはいろいろなところで感じます。ある方から聞きましたが、欧米そしてイスラムの人々は、経典の民なので、すべてを言葉で表していく文化で、日本(アジアもふくまれるかもしれません)は非経典の民で、言葉以外で現す比率が高くなる文化なんだそうです。
by Tomo (2005-11-27 08:42)
論理的思考、論理的書き方、これらは常に意識せねば、と思いつつ、出来上がりを見ると出来ていないことの一つです。
私も、そういう技術を地味に研究して行きたいと思います。
by どらとら (2005-11-28 01:04)
どらとらさんコメントありがとうございます。どらとらさんはすでにかなり論理的そうな気がしますが、私の方はまだまだ修行が必要そうです。
by Tomo (2005-11-28 23:47)