パスタの王国 [イタリア]
本屋に行ったら、面白そうな漫画があったのでジャケ買いというかタイトル買い。
ナポリタンが売りのパスタ屋の息子、ケン君が主人公。お父さんの作るナポリタンを食べて育ったケンは、いつか美味しいパスタをお父さんにたべさせたくて、ナポリで4年間修行して帰ってきたところから話が始まります。
パスタを通じてたくさんの人と出会い、やがてイタリア大使館のある三田のパスタ専門店をまかされ、自分らしい売りとなるパスタを探していくという展開です。
作中でケンがつくるパスタがどれもなかなか美味しそう。 「春ナスとトマト旬のインゲンアラビアータ風」とか「カルボナーラ」、そして定番のミートソースやナポリタンなど。
日本ではイタリアンというとピッツァやパスタということなのですが、イタリアではパスタはあくまで一皿目の料理で、この後でメインが来るのが基本。レストランでは、パスタだけで終わると言うことはあまりないそうです。(バールなんかで軽くパスタだけ食べるのはあるみたいですけど。)ピッツァはそれだけで一皿として独立して成立するのと対照的です。
ということもあって、イタリア大使館の近くの激戦区に、パスタだけのお店を出すというのはイタリア大使公邸料理人のマルコも言ったように「パスタ一本で勝負できるほど甘くない」のでは、と思ったのですが、これだけ本場のパスタのことを踏まえているので、そこをあえてパスタ専門店でというオーナーとケンのパスタへの思いの強さが表れているような気がしました。
この一冊で完結してしまうのですが、この後のケンの活躍も読みたくなってしまうくらい、読んでいて楽しい作品でした。
コメント 0